仕事の基本は人助け
ssakamoto仕事とは、本来「誰かの役に立つこと」で成り立っている。どれほど立派な肩書きがあっても、高い給料を得ていたとしても、その根底に他者への貢献がなければ、それは単なる自己満足の作業になってしまう。仕事の基本は、自分の力を使って他人の困りごとを軽くすること、人の不安を和らげること、誰かの手間や苦しさを減らすことである。
多くの人は「生活のために仕方なく働く」と考えるが、実際には人は「誰かの役に立っている」という実感がなければ、心の奥底では空虚さを抱え続ける。お金は重要だが、それはあくまで結果であって本質ではない。誰かの「助かった」「ありがとう」という感覚が、仕事に意味と誇りを与える。だからこそ、人が仕事を通して壊れてしまう時は、過労や人間関係だけでなく、「自分の仕事が誰の役に立っているのか見えなくなった」場合が多い。
仕事の質は、効率やスピードだけでは測れない。どれだけ相手の立場に立てているか、どれだけ目の前の相手の問題を自分ごととして引き受けているかで決まる。表面上は同じ作業に見えても、「早く終わらせたい」と思ってやる仕事と、「この人が少しでも楽になれば」と思ってやる仕事では、積み重なった価値がまるで違う。その差は必ず、信頼や信用となって返ってくる。
また、人助けというと大げさに聞こえるかもしれないが、日常の仕事のほとんどは小さな人助けの積み重ねだ。時間通りに商品を届けることも、ミスなくデータを整えることも、黙って不具合を直すことも、すべて「誰かの時間や安心を守る行為」である。立派な理念よりも、こうした地味な積み重ねこそが、本当の意味で人を助けている。
仕事に誇りを持てなくなった時は、「いくら稼いでいるか」ではなく、「誰を助けているか」を考える方が答えに近い。目の前の一人の負担を減らす、一人の不安を軽くする、一人の人生を少しだけ前に進める。その積み重ねの先にしか、本物の仕事の手応えは存在しない。仕事の基本が人助けである限り、どんな職種であっても、生き方としての仕事は決して空虚にはならない。
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