トレーニングし過ぎる人は弱くなる
筋トレやランニング、あるいはスポーツの練習に励む人々の中には、「もっと頑張れば頑張るほど強くなれる」と信じて、ガムシャラにトレーニングを続ける人がいる。しかし、この考え方は大きな誤解である。実際には、過度なトレーニングは身体を強くするどころか、むしろ弱体化させてしまう。
人間の身体は、トレーニング中に強くなるのではない。トレーニングは筋繊維を破壊し、エネルギーを消耗させ、神経系を疲弊させる行為だ。本当に身体が強くなるのは、トレーニング後の休息期間中だ。適切な休息を取ることで、身体は以前よりも強い状態で回復する「超回復」という現象が起こる。ところが、この回復期間を無視して毎日激しいトレーニングを続けると、身体は常に疲労した状態に置かれ、修復する時間を与えられない。
オーバートレーニング症候群と呼ばれる状態に陥ると、様々な問題が現れる。まず、パフォーマンスが低下する。以前は簡単にこなせていた重量が持ち上げられなくなったり、タイムが遅くなったりする。慢性的な疲労感に襲われ、朝起きるのが辛くなる。睡眠の質も悪化し、眠っても疲れが取れない。免疫システムも弱まり、風邪を引きやすくなる。
さらに深刻なのは、ホルモンバランスの乱れである。過度なトレーニングは、筋肉の成長に必要なテストステロンなどの同化ホルモンを減少させ、逆にコルチゾールなどの異化ホルモンを増加させる。コルチゾールは筋肉を分解してしまうホルモンであり、これが増えると、どれだけトレーニングしても筋肉は成長しない。むしろ減少していく。
心理面への影響も見逃せない。常にトレーニングのことを考え、休むことに罪悪感を覚えるようになる。集中力が低下し、イライラしやすくなり、やる気を失う。トレーニングへの情熱が義務感に変わり、楽しさを感じられなくなる。これは身体的な問題だけでなく、精神的な消耗も伴う状態である。
怪我のリスクも格段に高まる。疲労した筋肉や腱は柔軟性を失い、小さな負荷でも損傷しやすくなる。疲れた状態でのトレーニングはフォームを崩し、関節に無理な負担をかける。結果として、腱炎、疲労骨折、肉離れなどの怪我に見舞われ、長期間トレーニングから離れざるを得なくなる。
真に強くなりたいのであれば、トレーニングと同じくらい、あるいはそれ以上に休息を大切にする必要がある。そして、今の自分に合った質と量を見極めなければならない。週に何日かは完全に休む日を設け、十分な睡眠を取り、栄養をしっかり摂取する。身体の声に耳を傾け、疲労のサインを見逃さない。こうした賢明なアプローチこそが、長期的に見て最も効果的な強化方法といえる。
休むことは怠けることではない。それは成長のための必要不可欠なプロセスである。トレーニングし過ぎる人は、結局のところ、休息の価値を理解している人よりも弱くなってしまう。本当の強さとは、適切なバランスを保つ智慧の中にこそ存在するのだ。
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