予言は信じてなくても、有事には備えよう
ssakamoto2025年7月5日——最近やけにこの日付を目にする。SNSでもニュースでも、街中の会話の端々にまで「何かが起きるらしいよ」という空気が漂ってきた。巨大災害だとか、宇宙的イベントだとか、精神の目覚めだとか、まるで未来が息を潜めて、その日を待っているかのような気配。しかし私は思う。「多分予言は当たらない。けどもし誰も知らなかったら、当たったかもしれない」と。
予言というものは、昔から人を惹きつける力を持っている。希望や恐怖を映す鏡のように、その時代の不安を凝縮した物語として、人々の心に入り込んでくる。だがその一方で、予言は大概外れるものだ。ノストラダムスもマヤ暦も、結局は「何も起こらなかったね」というオチだった。だからといって、今回も何も起きないとは限らない。それが未来の厄介なところではある。
結局のところ、予言が当たるか外れるかに一喜一憂するよりも、「起きるかもしれない何か」に備える姿勢のほうが、よほど現実的だ。なにもそれは、UFOに対する防衛策という意味ではない。地震、台風、停電、通信障害、社会的混乱。実際に私たちが日常の中で直面し得る「有事」に対して、少しでも備えがあるかどうか。それが、未来に対する望ましい向き合い方ではないだろうか。
「でも、備えて何も起きなかったら無駄じゃない？」と感じる人もいるかもしれない。けれど、何も起きなかったことこそが、備えの成果ともいえる。火災報知器を設置して火事にならなかったからといって、それを外す人はいない。使わなかった非常食も、ただの保存食として食べればいいだけ。なにより「何も起きなかったからこそ、心から安心して眠れる」ことこそが、備えの価値なのだ。
予言を信じるかどうかは個人の自由だし、それ自体を笑うつもりはない。たつき諒先生の当たった予言も、漫画に書かれていたという点で凡百の予言と異なるとは思う。起こるかもしれない災害に向けて、何かひとつでも準備しておこうという姿勢は、誰にとっても損にはならない。特別な啓示を受けた人でなくても、家族のため、自分のために、静かに備えることはできる。
2025年7月5日が、何事もなく過ぎ去ってくれたなら、それは本当に喜ばしいことだ。そしてその翌日、我々はちょっと笑って、こう言えたら素敵だと思う。
「ちゃんと備えててよかったね。なにも起きなかったけど、これからも油断せずにいよう」と。
未来は、予言ではなく、備えによって守られる。私はそう信じている。
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