議論は勝負ではない
議論は真理を追求する過程だ。勝ち負けを競うものではない。しかし多くの場合、我々は議論を戦いのように捉えがちである。相手の意見を否定し、自分の主張を押し通すことが「勝利」だと思い込んでしまう。
武道の世界では、真の強さとは相手を倒す能力ではない。自己を律し、自他を理解することから、本当の強さが生まれると考える。同様に、建設的な議論においても、相手の立場や考えを理解しようとする姿勢が不可欠なはずだ。相手の意見に耳を傾け、その中から学びを得ることで、より深い洞察が得られるだろう。
道家思想では、対立を超えて調和を見出すことを重視する。議論においても、二者択一的な思考から脱し、双方の意見の中から新たな真実を見出す努力が必要だ。相手を打ち負かすのではなく、共に高め合う場として議論を活用すべきではないか。
実際の議論では、感情的になることを避け、冷静さを保つことが重要だ。これは武術における心身の統制も同様である。自己の感情をコントロールし、相手の意見を客観的に分析する姿勢があってこそ、実りある対話が可能となる。
結論として、議論の目的は勝利することではなく、互いの理解を深め、より良い結論を導き出すことにあるといえる。これは武道における「勝つための稽古」ではなく「道を窮めるための稽古」という考え方とも通じるものだ。真摯な対話を通じて、参加者全員が成長できる場として議論を活用していく社会を目指すべきだろう。
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(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)