観察の重要性
何事も上達するには、観察力が欠かせない。ここでは観察の重要性について、改めて考察してみよう。私が提唱する完全瞑想は、心身の調和と自己制御を重視する総合的な修練法だ。この修練において、観察という行為は極めて重要な位置を占めている。
観察は、武術の技術向上においても不可欠な要素だ。技を磨くためには、自分自身の動きはもちろん、師匠や先輩の動きを細かく観察し、「良」と「不良」を見極める力が必要となる。この観察眼を養うには、長時間にわたって意識的に観続けることが唯一の道筋といえる。一見単調に思えるこの過程こそが、実は技術向上の核心なのだ。
観察力が身につけば、あとは時間をかけて練習を重ねることで、自然と上達していくことができる。なぜなら、正確な観察に基づいた練習は、効率的かつ効果的だからだ。これにより、誤った動きや姿勢を早期に修正し、正しい形を身につけることができる。
しかし、武術や瞑想における観察の重要性は、単に技術の向上にとどまらない。日常的に観察する習慣を身につけることで、非常時においても冷静に状況を把握する能力が養われる。これは護身術としての武術の、本質的な部分に関わってくる。危険な状況に直面したとき、パニックに陥ることなく周囲の状況を正確に観察し、最適な対処法を見出せなければならない。
さらに、観察は自己啓発の面でも重要な役割を果たす。自己を客観的に観察する習慣は、過剰な自意識や利己主義を抑制するのに役立つ。自分の思考や行動パターンを冷静に観察することで、自己中心的な考えに気づき、それを修正することができるのだ。これは、完全瞑想が目指す心身の調和と自己制御に直接つながる重要な要素だ。
完全瞑想の修練者は、日常生活のあらゆる場面で観察力を磨く機会を見出すことができる。例えば、通勤中の人々の動きを観察したり、自然の変化に注目したりすることも、観察力を高める良い練習となる。また、稽古の際には、自分の呼吸や姿勢、力の入れ具合などを細かく観察することが重要だ。
このように、観察は瞑想や武術の根幹を成す重要な要素である。技術の向上、危機対応能力の強化、自己啓発など、完全瞑想のあらゆる側面において、観察力は不可欠な役割を果たしている。観察する習慣を身につけ、それを日々の生活や修練に活かすことで、完全瞑想の真髄に近づくことができる。
完全瞑想の修練者は、常に観察の重要性を意識し、日々の生活の中でその力を磨いていくことが求められる。それは単に武術の技を磨くためだけでなく、より豊かで調和のとれた人生を送るための重要な手段となり得る。観察力を高めることは、完全瞑想の究極の目標である心身の調和と自己制御への道を開くといえる。
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