心身を絶好調にして維持する方法
ssakamoto特別なことはない。人間の心と身体は、本来ひとつの生命として調和を保つようにつくられている。ただ、我々はその自然な調和を乱す生活を続けているために、疲労や不調を「普通の状態」と思い込んでいるにすぎない。絶好調を取り戻すとは、失われた自然のリズムを取り戻すことにほかならない。
まず、呼吸を整えることが基本である。多くの人は無意識のうちに浅く早い呼吸をしている。その結果、身体は常に軽い緊張状態にあり、脳も休まらない。深く、静かに、ゆっくりとした呼吸を意識するだけで、自律神経は整い、身体の隅々に酸素が行き渡り、思考も澄んでくる。呼吸は心の鏡であり、呼吸を変えれば心も変わる。
次に、姿勢を正す。猫背のままでは内臓が圧迫され、呼吸も浅くなる。背筋を伸ばし、頭のてっぺんを糸で引かれるように立つことで、気の流れが整い、自然と集中力が高まる。正しい姿勢は筋力よりも意識で保たれる。重心が臍下丹田（せいかたんでん：下腹部のエネルギーセンター）に落ちると、身体は安定し、心は静まる。
食もまた重要だ。食べすぎ、飲みすぎ、甘いものや加工食品のとりすぎは、気血の滞りを生む。腹八分目を心がけ、旬のもの、自然に近いものを感謝して食べる。それだけで身体は軽くなり、心は穏やかになる。食は単なるエネルギー補給ではなく、大自然・生態系・生命との交流である。
心を整えるには、静寂の時間を持つことだ。現代人は絶え間ない情報の波にさらされ、外の刺激に反応し続けている。その状態では、心は常に消耗していく。数分でもよいから、何も考えず、ただ呼吸に意識を向ける時間をつくる。思考を止めようとせず、ただ浮かんでは消える思考を眺めるようにする。やがて心は静まり、内側から力が満ちてくる。
そして、身体を動かすことを忘れてはならない。運動は心身の潤滑剤となる。激しい運動である必要はない。歩く、伸ばす、呼吸に合わせて身体をゆるやかに動かすだけで、滞っていたエネルギーが流れ出す。気功やヨガ、武術のような全身を連動させる動きは、特に効果的だ。
最後に大切なのは、「今この瞬間」に生きることだ。過去を悔やみ、未来を案じていると、心は常に不安定になる。今の呼吸、今の感覚、今の動作に意識を集中すると、心身は自然に調和を取り戻す。絶好調とは、未来の理想の状態ではなく、今この瞬間に完全に生きている状態のことなのだ。
呼吸を整え、姿勢を正し、心を静め、身体を動かし、食を慎み、今を生きる。その積み重ねが、心身を絶好調にし、それを維持する最も確かな道といえる。
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