超感覚を得るための感覚トレーニング
我々の日常生活は、五感からの膨大な情報に満ちあふれている。しかし、その大半は意識の表層を素通りし、気づかれることなく消えていく。超感覚とは、特別な超能力のことではなく、この埋もれている感覚情報に意識的にアクセスし、通常では見過ごしてしまう微細な変化や兆候を捉え、活用する能力のことである。
この能力を開発する第一歩は、瞑想的トレーニングから始まる。たとえば天井を見上げて、そこにある模様や光の陰影を五分ほどただ観察してみてみる。判断を加えず、名前をつけず、ただ観る。次第に、これまで気づかなかった細かな傷や色の変化、光の動きが見えてくるはずだ。この「ただ観る」という行為は、脳の視覚処理システムを再教育し、より豊かな情報を受け取れるように調整してくれる。
外を歩くときには、周辺視野のトレーニングを行うのがオススメ。通常、我々は中心視野に集中し、目的地や目の前の障害物だけに注意を向けている。しかし、視野全体に意識を拡げることで、空間全体の動きや変化を同時に捉えられるようになっていく。なるべく視野を広くし、周囲の空間全体で何が起きているかを感じ取る練習を続けると、やがて視界全体が一つの有機的な情報源として機能し始める。
聴覚のトレーニングでは、音の層を分離する能力を養う。静かな部屋で目を閉じ、最も遠くから聞こえる音に耳を澄ませてみる。車の走行音、遠くの話し声、風の音。それを認識したら、次はより近い音に注意を向ける。建物のきしむ音、時計の針の音、自分の呼吸。さらに近づいて、心臓の鼓動、血液が流れる音まで聞こえてくるかもしれない。この練習により、通常は一つの「騒音」として処理される音の世界が、無数の独立した情報の集合体として認識されるようになる。
触覚は、最も直接的でありながら、最も見過ごされがちな感覚だ。毎日同じ物に触れているにもかかわらず、あなたはその質感を本当に感じているだろうか。コップを手に取るとき、その重さ、温度、表面の滑らかさを意識的に感じてみよう。服が肌に触れる感覚、足が地面を踏みしめる圧力、空気が肌を撫でる感触。これらすべてを意識することで、身体と外界との境界線がより明確になり、同時により流動的にもなる。
嗅覚と味覚のトレーニングは、最も繊細で主観的な領域だ。食事をするとき、最初の一口を少なくとも三十回は噛んでみる。すると、最初に感じた味が次第に変化し、隠れていた風味が現れ、最後には全く異なる味わいに変容していくことに気づくだろう。香りについても同様で、一つの香りの中に複数の要素が含まれていることを発見できるはずだ。
これらの個別トレーニングを一定期間続けたら、次は感覚の統合を試みる。一つの対象を、同時に複数の感覚で観察する。たとえば果物を手に取り、その色と形を見て、重さと質感を感じ、香りを嗅ぎ、最後に味わう。しかしそれぞれを順番に行うのではなく、可能な限り同時に、全感覚を開いた状態で経験する。すると、その果物の「存在」が、単なる視覚情報や味覚情報の総和を超えた、より立体的で豊かなものとして現れてくる。
最も高度な訓練は、武術の自由組手である。この訓練では、あらゆるフェイントを絡めた最速の攻撃を完封できなければならない。これはどんなに筋肉ムキムキになっても、どれだけ多くの技を覚えても、超感覚を得なければ到達できない境地といえる。逆に超感覚を得られれば、歳をとっても誰とでも──チャンピオンだろうがメダリストだろうが最高師範だろうが、文字通り誰とでも──組手を楽しむことができる。
日常生活の中で、これらのトレーニングを統合していくことが重要だ。通勤中、仕事中、会話中、あらゆる場面で意識的に感覚を開いていく習慣をつけたい。すると次第に、人の微妙な表情の変化、声のトーンのわずかな揺らぎ、空気の質感の変化など、これまで見過ごしていた無数のシグナルが自然と入ってくるようになる。
この超感覚の開発は、単に情報処理能力を高めるだけではない。世界との関わり方そのものを変容させ得る。すべてが生き生きとした情報に満ちた動的な場として現れ、自分自身もその一部として溶け込んでいる感覚が生まれる。これは特別な神秘体験ではなく、本来我々に備わっていた能力を取り戻すプロセスなのである。
=======
本物の武術に興味がある方はご参加ください
↓ ↓ ↓
LINEオープンチャット
「秘伝実践会セミナー告知連絡用」
著作物紹介:
※kindle unlimited にご登録中の方は全て無料で読めます。(未登録の方は30日間無料体験を使えば無料で読めます)
「リーダーのための瞑想トレーニング」
「あなたの知らない非常識な幸せの法則」
「超速化時代の冒険:AIライティングと武術気功の叡智」
「AIライティング最速出版術」
空手家との組手や演武などの動画は下記サイトでご覧いただけます。
(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)