悪を為さず騙されぬために勉強が要る
誰もが「悪いことはしたくない」と思っている。少なくとも、心の奥底では。しかし現実には、知らず知らずのうちに他人を傷つけたり、誤った判断で誰かを不幸にしたり、あるいは自分自身が搾取されたりしている。なぜそんなことが起きるのかといえば、それは「知らないから」に尽きる。
善意だけでは、正しさにたどり着けない。思いやりだけでは、真実を見抜けない。悪意を持つ者は、巧妙に嘘を重ね、無知につけこむ。「これは正義だ」と言って差別を煽る者もいる。「これが真実だ」と言って陰謀論を広める者がいる。そして、それらに騙されて動かされてしまう人々がいる。彼らの多くは、自分が正しいと信じている。だからこそ、衝突する。
悪を為す者の多くは、明確な悪人ではない。盲信して他人を傷つける者、自分の快楽や利益のために都合のよい理屈をこねる者、あるいはただ何も考えずに流される者。そういう「普通の人」が、結果的に悪に加担してしまうのだ。これは歴史が幾度も示してきた現実である。
だから、勉強が要る。ただ知識を増やすだけではない。物事の背景や構造を理解し、情報の裏を読み、自分の感情や思い込みと向き合い続ける力が求められる。思考や論理力を鍛えなければならない。自分で考え、自分で判断し、流されず、誤魔化されずに生きるために。
世の中には、善を装う悪がある。善意を利用する悪がある。そして、それを見抜くには、勉強しかない。勉強とは、ただ机に向かうことではない。人と出会い、体験を重ね、考え、反省し、言動を改善していくこと。その積み重ねが、他者を理解する力となり、自分を守る盾となる。
「自分さえよければいい」と思う者は、簡単に悪に染まる。「みんなが言っているから」と動く者も、簡単に騙される。だが、「悪を為さず、騙されぬように」と願うなら、学ぶしかない。生涯を通じて、問い続け、学び続けるしかない。
それが、真に善く生きるという修行である。
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