善良な人の方が強くなりやすい理由
強くなりたい──?
強さとは単に腕力や技術の高さを意味するものではない。むしろ、精神の持久力や人との関わり方、困難に向き合う姿勢といった内面的な要素が大きな比重を占めている。だからこそ、善い人──すなわち他者を思いやり、誠実に生きようとする人は、自然と強さを育みやすい。
善い人は、まず学びに対して開かれている。自分の欠点を認め、他者から教わることを恥じない。その謙虚さは成長を妨げる壁を取り払う。傲慢な人は「自分は正しい」と固くなり、改めるべき点を見ようとしないが、善い人は柔らかく受け入れる心を持つ。その柔軟さが、鍛錬の成果を何倍にも広げる力となる。
また、善い人は人とのつながりを大切にする。人は孤独の中で強くなることもある。しかし仲間に支えられるとき、その強さはさらに深く揺るぎないものとなる。信頼される人は、困難な状況においても援助を得やすく、逆境に立ち向かう際の基盤が揺らぎにくい。善い心を持つ人は自然と周囲の協力を得やすく、その環境が強さを後押しする。
さらに、善い人は怒りや恨みといった感情に呑まれにくい。負の感情は一時的に大きな力を生むこともある。だがそれは持続せず、むしろ心身を蝕む。善い人は感情を制御し、冷静に物事を見つめる力を養いやすい。穏やかな心は集中力を高め、危機にあっても判断を誤らない。その安定こそが真の強さにつながる。
そして何より、善い人は「守るべきもの」を持つ。自分だけでなく、家族や仲間、社会全体の幸福を願う心が、力の源泉となる。自己の利益だけを追う者は壁にぶつかると容易に折れてしまうが、他者を守るための覚悟を持つ者は、限界を超えてなお立ち上がれる。善き心は、強さを生み出す根本的な燃料なのだ。
結局のところ、善い人の強さとは特別な能力ではなく、人として当たり前の姿勢を積み重ねることで生まれるものだ。他者への思いやり、謙虚さ、誠実さ──それらは弱さではなく、むしろ揺るぎない強さを形づくる基盤である。だからこそ、善い人ほど強くなりやすいのである。
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