セルフヒーリングとしての武術瞑想
ssakamoto心身に快適をもたらすのが、武術瞑想だ。社会における不快と苦痛の極致は戦争であろう。個人においては喧嘩や諍い、犯罪被害などか。武術はそれら不快や苦痛に備えることで、平時においては極めて快適な状態を生み出す効果がある。
人は日々の生活の中で、心と身体に無数の小さな不快や苦痛を負っている。肉体的な疲労、精神的な緊張、そして言葉にできない違和感や孤独感。これらは蓄積すれば病となり、解消の難しい激痛へと変わる。医療やセラピーでは拾いきれないような、静かな叫びを抱えて生きている人も少なくない。
そんな内なる苦痛に静かに寄り添い、深く働きかけるのが、「武術瞑想」という営みである。武術と聞くと、外敵と戦う技術を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、真の武術は、まず自らの内側を整えることから始まる。呼吸を整え、姿勢を調え、動きをひたすら丁寧に磨くこと。それはまるで、乱れた心の波を少しずつ静めていくような作業だ。
武術瞑想では、静止状態から極々ゆっくりの動作に気を注ぎ、身体の深層に眠る緊張や滞りを観察する。ただ観る、感じる、流す。その繰り返しの中で、身体はほどけ、心は静まっていく。そこに誰かの評価はない。達成や競争もない。ただ、今の自分をそのまま受け止め、そこに深く潜っていく。その行為そのものが、癒しとなる。
やがて身体は、自ら調律を始める。肩の力が抜け、呼吸が深まり、内臓が動き出す。無意識のうちに防御していた箇所がゆるみ、静かだが野性的なエネルギーが流れ始める。それは外部から施される薬や治療ではなく、自らが自らに施す癒し──セルフヒーリングだ。
武術は本来、外の敵と戦うためにあるのではなく、内なる悪、弱さと向き合うためにある。瞑想もまた、自分を見失わないための技術だ。この二つが結びついたとき、人は自分という存在を「全体」として受け入れることができる。肉体と精神、動と静、生と死。そのすべてを包み込むような宇宙（世界）が、そこにはある。
セルフヒーリングとしての武術瞑想は、誰かの助けを必要としない。道具も特別な場所もいらない。あるのは、静かな場所と、少しの時間、そして自分自身だけ。それだけで十分だ。なぜなら、癒しは外から与えられるものではなく、自らの内にすでに備わっている力だから。
何かを得ようとするのではなく、ただ体験し、ただ還る。武術瞑想とは、日常の中で失われてしまった「真の自分」に立ち返る、静かな旅路なのである。
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（武術気功健康教室｜大阪府四條畷市）
武術瞑想｜制心道 
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