誰とも競争せずに只管上を目指す
競争社会において、常に他者と比較し、競い合うことが成功への道だと思われがちだ。しかし、本当の成長と達成は、他者との競争ではなく、自分自身との対話から生まれるものではないだろうか。
真の向上心とは、他者を打ち負かすことではなく、昨日の自分を超えることにある。只管上を目指す姿勢とは、周りの評価や他者の進捗に左右されず、ただひたすらに自分の可能性を追求し続けることにある。
禅の世界では「只管打坐(しかんたざ)」という言葉がある。これは「ただひたすらに座る」という意味で、余計な思いを捨て、今この瞬間に全身全霊を傾けることを表している。この考え方を日常の向上心に置き換えると、他者との比較や競争心という雑念を捨て、ただ純粋に自分の成長だけを見つめる姿勢が浮かび上がる。
競争から解放されると、心に余裕が生まれる。他者の成功を脅威ではなく、学びのチャンスとして捉えられるようになるだろう。また、自分のペースで着実に前進することで、無理なく持続可能な成長が可能になる。焦りや嫉妬に駆られることなく、長い目で見た本質的な向上を実現できる。
人生は決して直線的ではない。起伏や停滞の時期もあるものだ。そんな時、他者と競争していると、一時的な停滞を致命的な敗北と捉えてしまいがちである。しかし、只管上を目指す姿勢があれば、それも成長過程の一部として受け入れられるはずだ。
自分自身の内なる声に耳を傾け、自分だけの道を歩む勇気を持とう。他者の評価や社会の期待に振り回されず、自分が本当に大切にしたい価値に基づいて進むことが、結果的に独自性を生み、真の充実感をもたらすだろう。
究極的には、「上を目指す」という言葉すら超越し、ただ今この瞬間に全力を注ぐことで、おのずと最高の結果に結びつくと思われる。それは競争という概念から完全に解放された、純粋な自己実現の形なのかもしれない。
人と比べず、ただひたすらに前を向いて歩む。そんな静かな情熱が、やがて大きな実りをもたらすのである。
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