お金にまつわる自衛術
我々の生活を脅かす危険は、物理的な暴力だけではない。金銭的な危機や詐欺からも自分自身を守る必要がある。これは武術の本質と通じるところだ。武術では、相手の中心や重心を制することで身を守るが、経済的な自衛においても、自分の財務の「中心」を守ることが重要となる。
経済的自衛の第一歩は、自分自身の財務状況を正確に把握することから始まる。これは武術でいえば、自分の姿勢の良し悪しや動きの癖を知ることに相当する。収入と支出のバランスを理解し、資産と負債を明確にすることで、自分の経済的な立ち位置が見えてくる。月々の固定費や変動費を把握し、無駄な出費を削減することは、武術における無駄な動きを省くことと同じである。
次に、緊急時のための備えが必要だ。武術では常に不測の事態に対応する準備をしているが、経済的自衛でも同様に、緊急資金の確保が重要なのだ。最低でも3〜6ヶ月分の生活費を流動性の高い形で保持しておくことで、突然の収入減少や予期せぬ出費に対応できる。この「経済的な構え」は精神的な安定をもたらし、冷静な判断を可能にする。
多くの詐欺や不正な金融商品は、人の弱みや欲望につけ込む。これは武術における相手の隙を突く攻撃と似ている。「簡単に儲かる」「リスクなしで高リターン」といった誘いには警戒心を持ち、常に冷静な判断を心がけねばならない。自衛瞑想で説く「心の制御」は、こうした場面で特に重要となる。瞬間的な欲望に流されず、長期的な視点で判断する自制心が必要とされるからだ。
分散投資も重要な自衛策となる。武術では一つの技だけに頼らず、状況に応じて様々な技を使い分けるように、投資においても一つの商品や方法に集中せず、リスクを分散させることが大切だ。株式、債券、不動産、現金など、異なる資産クラスへの分散投資は、市場の変動から自分の資産を守る効果的な方法といえる。
また、情報の収集と学習も欠かせない。武術の修行者が常に技を磨くように、経済的な知識も常にアップデートする必要がある。金融リテラシーを高め、経済ニュースに関心を持ち、税制や制度の変更に注意を払うべきだ。正確な情報を基に判断することで、詐欺や悪質な勧誘から身を守ることができる。
経済的自衛において、専門家の助言を得ることも賢明だろう。武術の世界でも師匠や先輩の指導を仰ぐように、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家に相談することで、より効果的な資産防衛が可能になる。ただし、誰を信頼するかの判断も重要で、資格や実績、報酬体系などを確認する必要があるのはいうまでもない。
最後に、経済的な自衛は単なる防御だけではなく、将来に向けた積極的な準備でもある。老後の生活資金や子どもの教育資金など、長期的な目標に向けた計画的な資産形成も重要な自衛策である。これは武術における「先の先」という考え方に通じるものがある。
お金にまつわる自衛術は、武術と同様に日々の修練が大切だ。財務状況の定期的な見直し、支出の記録、投資のモニタリングなど、継続的な取り組みが必要となる。基本功を地道に続けるように、経済的な自己防衛も日々の小さな実践の積み重ねが大きな力となっていく。
このように、お金にまつわる自衛術は、護身武術の精神とも深く結びついている。物理的な中心を制する技術と同様に、経済的な中心を制することで、より安定した豊かな人生を実現することができると思われる。気と身体の調和を重んじる自衛瞑想の精神は、経済面においても健全なバランスを保つことの大切さを教えてくれているかもしれない。
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