まずは「できる」と考えて始めてみる
何でも案外「やればできる」
人生において新しいことに挑戦する時、多くの人は「自分にはできないのではないか」という不安や恐れを感じる。しかし、制心道では、まずは「できる」という前提で物事を始めることを重視している。これは単なる楽観主義ではなく、実践的な智慧といえる。
我々の身体には無限の可能性が秘められている。站樁(タントウ:立禅)の練習を始めた時、最初は3分も立っていられない人でも、継続することで30分以上楽に立てるようになる。これは「できる」と信じて実践した結果であり、もし最初から「無理だ」と決めつけていたら、そこまでの進歩は得られなかっただろう。
他の稽古においても同様だ。新しい技を修得する際、「難しそうだ」と思った瞬間に体が硬くなり、それが技の修得を妨げてしまう。しかし、「できる」という心持ちで臨むと、体が自然に動き、修得のスピードが格段に上がる。
実は、「できない」という思い込みの多くは、過去の経験や周囲の影響による制限的な思考パターンに過ぎない。それは実際の能力の限界ではない。制心道では、この思考の枠を取り払い、まずは可能性を信じることから始める。
日常生活においても、この「できる」という姿勢は大きな変化をもたらす。仕事での新しいプロジェクト、人間関係の改善、健康習慣の確立など、どんな課題でも、まずは「できる」と考えることで、創造的な解決策が見えてくるはずだ。
もちろん、すべてが簡単に思い通りになるわけではない。しかし、「できる」という前提で始めることで、たとえ結果が違っても、そこには必ず学びがあり、次につながる経験となる。失敗を恐れずに挑戦することこそが、真の成長をもたらすだろう。
制心道の実践者として、私は多くの練習仲間の変化を目にしてきた。「できない」と思っていた動きが少しずつできるようになり、自信を持って日々の生活を送れるようになった人もいる。それは単に身体能力の向上だけでなく、心の変化、生き方の変化でもあると感じている。
結局のところ、人生は我々が思っているよりもはるかに多くの可能性に満ちているようだ。まずは「できる」と考えて一歩を踏み出すこと。それが、偉大な先人たちが示す、最も重要な教えの一つだと思う。
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(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)