なぜこの世には不幸があるのか

全知全能の神が全てを創ったとして、なぜこの世には不快や苦痛、悲惨、不幸が溢れているのか。

快楽や幸福だけの楽園にしてくれなかったのはなぜなのだろうか。

神とは至福そのものであり、不快や苦痛、不幸などを「神のままでは味わうことが出来ない」(全知全能なのに?)ため、神の化身(アバター)として不快や苦痛を味わうために、人間は創られたからである。

不快や苦痛を味わすために人間を創ったなんて、神は性格が悪いのだろうか?

もちろんそのようなことはない。

あらゆる不快や苦痛、悲惨、不幸などは、解放(解脱)の際の快楽、幸福を絶頂(神の至福)にまで高めてくれる。

そのため、輪廻において神から離れていこうと、それもまた神を喜ばせるのである。

「もっと不快や苦痛を味わって、解脱の際の快楽を大きくしたいのだね」と。

もうこれ以上輪廻の中で不快や苦痛を味わい続けることが嫌になった者は、神の元へ戻ろうとする。

つまり解脱とは、真の無(神、天国、至福、唯一の実在)に戻り「それ」と再び一体化するということなのだ。

永い眼で観れば、全てはいずれそうなるのである。

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